四日目 雑念
令和二年 大阪場所 四日目 静けさは雑念を振り払い物事への集中力を高めます。 【雑念】吉田「あら。」 吉田「珍しい。」 吉田「いつになく真剣に土俵を見つめたりして。」 52代「だってさ・・・。」 52代「綺麗所もいないんだもん・・・。」 52代「諦めて相撲見るほかないよね。」吉田「そもそも、それが仕事なんですけどねー。」...
View Article五日目 視線の先
令和二年 大阪場所 五日目 土俵を中心に暗がりが包む、序盤戦最終日。 ひと気のない暗がりにふと視線が吸い込まれ・・・。 【視線の先】大坂「貴景勝の調子、気になりますね。」鏡山「・・・・・・。」 大坂「・・・鏡山さん?」鏡山「・・・・・・。」 鏡山「あ・・・。」 鏡山「あそこで・・・誰か、手、振ってる・・・。」大坂「や、やめて下さいよ・・・。」...
View Article六日目 放送席
令和二年 大阪場所 六日目 感性のない場所も今日で六日目。 様々な土俵周りの声や音に耳を傾けながらも、観戦中の拠り所はやはり放送席の声です。 【誰かしら】 チラ チラ 白メガネ「今日の正面解説、誰かしら??」 白メガネ「・・・・・。」 白メガネ「・・・・・・。」 白メガネ「なんだ・・・、大乃国か・・・。」...
View Article七日目 男の美学
令和二年 大阪場所 七日目 潔くあること。 我慢強くあること。 男の美学を貫いた、浪速の大関・豪栄道。 七日目の放送席に見参。 【黙して語らず】太田「親方~。」 太田「私、橋幸夫が得意なんですよ。聞いてくれますか?」 太田「潮来のぉ~~」 太田「伊太郎ぉ~~~」 太田「ちょっと見なればぁ~~~」...
View Article中日八日目 間食
令和二年 大阪場所 中日八日目 高熱を出した千代丸たんは、まさかの事態に備えて只今隔離中。 どんなに体を鍛えてもウイルスに勝つためには、手洗いうがいに、十分な栄養と睡眠です。 幕内後半戦。 時刻は5時を過ぎました。 お昼ご飯から4~5時間。 そろそろ小腹がすいてくる頃です。 【モグモグ】モグモグ モグモグ モグモグ ゴクン 「はーい。モグモグタイム終了~。」...
View Article九日目 高砂語録
令和二年 大阪場所 九日目 大いなる挑戦者は、常に己を奮い立たせながら恐怖心を勇気に変えて、1日1日を戦って行きます。 【勇気を出して】三輪「大関に向けて、昨日2敗となった朝乃山ですが・・・。」高砂「・・・・・・。」 三輪「ん?どうしました?」高砂「三輪たん・・・。」 高砂「おしっこ・・・。」三輪「行ってきていいですよ。」 高砂「えぇ~~~。」...
View Article十日目 夢
令和二年 大阪場所 十日目 露と落ち 露と消えにし我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢 (豊臣秀吉 辞世の句) 夢か現か幻か。 異例の無観客の場所も、時を経て振り返れば、夢のことのように思いだす日が来るのかもしれません。 【夢の記憶】52代「夢に炎鵬が出てきた。」藤井「へー。」 藤井「北の富士さん、よく覚えてますね。」52代「まあね。」...
View Article十一日目 満月
令和二年 大阪場所 十一日目 産業遺産とはある時代においてその地域に根付いていた産業の姿を伝える遺物、遺構、遺跡。 それらの多くは工場や鉱山のような構造物ですが、そこにはかつて、その場で汗を流し働いた人々の営みが、文化風習として今もなお息づいています。 ~炭坑節~ ♪月が~~ぁ ♪出た出た~ぁ ♪月がぁ~出た~ぁ ♪あら、ヨイヨイ...
View Article十二日目 波乱
令和二年 大阪場所 十二日目 静けさのベールで緊張を保ちつつけてきた無観客の場所。 ついに緊張の糸が途切れ波乱の幕が上がりました。 【波乱】沢田石「親方・・・、新型コロナ怖いですね・・・。」 荒磯「ええ。でも大丈夫ですよ。」 荒磯「我々は念には念を入れて。」 荒磯「力水にも消毒剤をたっぷり入れてますから。」沢田石「ふーん。」...
View Article十三日目 バブル崩壊
令和二年 大阪場所 十三日目 春分の日。 草木は芽吹き蕾を膨らませ、至るところに春の訪れを感じられるようになります。 【春になれば】千代丸「あ!」 千代丸「見つけた!」 千代丸「こんなところに。」 千代丸「つくしんぼうだ。」 家の裏にはつくしんぼうじゃなくって、スギナがいっぱい芽を出しています。...
View Article十四日目 オシャレ
令和二年 大阪場所 十四日目 季節は春。 厚手の重い服を脱ぎ捨てて、軽やかに華やかに。 心浮き立つオシャレの春、到来です。 【イメチェン】尾車「ねえ、三瓶さん。」三瓶「はい。」 尾車「ここだけの話だけど・・・。」 尾車「あの・・・稲川親方の髪型・・・。」 尾車「あれって、ヘンですよね。」三瓶「コクン」 そうですよね、親方。 これってやっぱり変ですよね。...
View Article千秋楽 無事貫徹
令和二年 大阪場所 千秋楽 厳戒体制を敷いて臨んだ、大阪場所の15日間もいよいよ千秋楽。 大相撲協会員、関係者・・・皆の力が一丸となり無事に千秋楽を迎えることができました。 緊迫した15日間をくぐり抜けた皆の顔には、安堵の表情が戻っていました。 【楽しいひと時】二子山「あー、ようやく終わった・・・。」 二子山「そういや、千秋楽の勝昭、何着てんだろうね?」立川「さあ・・・。」...
View Article初日 観客動員
令和2年 七月場所 初日 本来ならば名古屋で行われるはずだった七月場所。 角界のホームグラウンド両国での初日の開催となりました。 勝手知ったる、見なれた場所のはずなのに。 いつもとは違う気配がそこはかとなく漂います。 【曰く】ザワザワ 「しかしここは暗いですね。」 「何だか、ふとした時に・・・」 「背筋がぞくっとするんですよ。」...
View Article二日目 師匠
令和二年 七月場所 二日目 ソーシャルディスタンス 三密 クラスター。 新型コロナの登場で様々な新しい言葉や物が出現する昨今。 コロナの正で押し付けられた窮屈な新しい生活様式は、長い歴史を持つ大相撲界にも大きな影響を及ぼしています。 【対策】三輪「さて今場所は我々NHKも、様々な感染予防対策を行いながら放送しております。」 三輪「放送席でもこのように。」...
View Article三日目 復活
令和二年 七月場所 三日目 艱難は汝を玉にす。 古くからの古事ことわざにありますが、そこには言葉に言い表せない苦労、苦しみ、悲しみ、絶望が横たわっています。 その一つ一つと向き合いながら一歩ずつ歩みを進めていく、忍耐、努力は筆舌に尽くしがたいものがあったと想像します。 怪我や病気と闘いながら土俵に上がり続ける者、土俵を去る者。...
View Article四日目 伊勢海老色
令和二年 七月場所 四日目 梅雨の晴れ間。 真夏のような太陽がのぞいて、蒸し暑さ全開です。 【観戦のお供】呼び出し「・・・暑いなぁ。」 呼び出し「こんな暑い日は早く帰って、冷えたビールでも飲みながら大相撲の録画でも見るか・・・。」 呼び出し「そういえば・・・、今日の解説誰だろう。」 呼び出し「チッ。芝田山かよ。」...
View Article六日目 背後
令和二年 七月場所 六日目 YAH YAH YAH YAH YAH YAH YAHYAH YAH YAH YAH YAH YAH YAH 【振り返れば奴がいる】正代「誰だっ!?」 正代「誰だっ!?」 正代「俺の背後にいるのは誰だっ?!」 正代「ひゃ!近藤!」遠藤「近藤じゃねー。」...
View Article七日目 神髄
令和二年 七月場所 七日目 神髄それは物事の本質、その道の奥義。 一事を究め奥義を極めた者のみが到達することの出来る無限の境地。 【返し】三瓶「えー、技の神髄。今場所は武蔵丸のかいなの返しをご覧いただきました。」 三瓶「舞の海さんはかいなの返しはどうでしたか?」 舞の海「そりゃ、私だってやられたらやり返しますよ。」 舞の海「倍返しだ!」三瓶「かいなの返しです。」...
View Article中日八日目 相撲愛
令和二年 七月場所 中日八日目 中日の放送席には角界きっての人気者。 第72代横綱・稀勢の里の登場です。 【愛】キセ「あら?」 キセ「いやだ。」 キセ「アクリル板越しの佐藤さんって、なんか素敵・・・!」 キセ「アタシ、恋しちゃいそ~。」 引退してからの稀勢の里はよく喋ることは大相撲ファンには周知の事実ですが、今日のキセはまたいつになくハイテンション。...
View Article九日目 後半戦へ
令和二年 七月場所 九日目 塩。 それは塩化ナトリウムを主成分とした海水、岩塩などから生産される物質。 保存用の塩漬けに用いたり、料理の調味料としてはもちろんのこと、道路などの融雪剤などに用いられる、我々の暮らしになくてはならない物質です。 【塩】ザワザワ 「ペロ」 「・・・・・・」 「イッ・・・!」 「苦ッッ」 にがりが抜けきってなかったか。...
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