令和二年 大阪場所 十二日目
静けさのベールで緊張を保ちつつけてきた無観客の場所。
ついに緊張の糸が途切れ波乱の幕が上がりました。
【波乱】
沢田石「親方・・・、新型コロナ怖いですね・・・。」
荒磯「ええ。でも大丈夫ですよ。」
荒磯「我々は念には念を入れて。」
荒磯「力水にも消毒剤をたっぷり入れてますから。」
沢田石「ふーん。」
沢田石「あーーー!!!魁聖が力水飲んでるっ!!!」
荒磯「ムフフ。」
アハハハ!
魁聖!
思わず口つけちゃいましたか!
そりゃ仕方ないよね。
今までずっとそうしてたんだもん。
でも魁聖って相撲のこと以外のことは良く喋りますよね。
まるでガガ丸のように(笑)。
力水の封印を解いた余波は横綱白鵬を飲み込み、碧山を優勝争いの単独トップへと押し上げました。
正代、やるじゃないか!
まさかまさか勝つとは思ってなかったので、張られまくっても腕をねじ込み続ける今日の相撲には心底驚きました。
勝ち越しへの情熱はちゃんと秘めていたんですね。
白鵬も今日は何やらジタバタするだけの無意味な動きが目立つ相撲で、正代の仰け反りが吉と出た一番となったようです。
単独トップの碧山も御嶽海相手に稽古場通りの、力強い押し出し。
いいぞいいぞ碧山。
これまで長い間相撲を見てきましたが、こんな風に碧山に胸躍らせることは今までなかったような気がします。
大きな茶色の瞳で一点を見つめるように土俵に上がる碧山。
もうここまで来たら今場所は、碧山優勝を見届けたい気持ちになってきました。
先場所の徳勝龍のようにジャイアンとキリングを起こせるか碧山。
明日は一旦前半の土俵に戻って相撲をとります。
そして注目の朝乃山。
明日は結びで白鵬戦。
今日、思うような相撲を取れなかった白鵬は明日どんな立ち合いを見せてくるか。
素人には気になるところですが、ここはキセが言うように自分の型を信じてあれこれ考えずに力を出し切ることが大切です。
今の力を十二分に発揮すればおのずと道は開けゆく。
折よく明日は季節の分け目、春分の日。
桜の蕾も徐々に膨らみ、時折吹く風にも暖かさを感じることが多くなるころです。
そんな春風と共に閉塞感漂う今場所に、新大関誕生の風を自ら巻き起こすがいい!朝乃山!!