令和二年 大阪場所 千秋楽
厳戒体制を敷いて臨んだ、大阪場所の15日間もいよいよ千秋楽。
大相撲協会員、関係者・・・皆の力が一丸となり無事に千秋楽を迎えることができました。
緊迫した15日間をくぐり抜けた皆の顔には、安堵の表情が戻っていました。
【楽しいひと時】
二子山「あー、ようやく終わった・・・。」
二子山「そういや、千秋楽の勝昭、何着てんだろうね?」
立川「さあ・・・。」
呼び出し「あ、僕さっき見ましたよ。」
二子山「え、何着てた?」
呼び出し「赤いジャンパー。」
二子山「は?」
二子山「おい、赤いジャンパーって。勝昭スゲーな!」
なんだかとっても楽しそうね、雅山。
緊張を強いられていた分、解放される喜びは大きいものでしょう。
お疲れミヤビン。
ホッとしても喚起の悪パチンコには行くなよ。
異例の場所となったこの大阪場所。
場所の無事を祈る気持ちは大相撲を愛する人間、皆同じ。
この人も実は心底心配していたんですね。
【願掛け】
52代「あ~、無事に終わって良かった。」
大坂「あら?北の富士さん・・・。」
大坂「髭、伸びましたね。」
52代「ん?これ?」
52代「吉幾三に寄せてみようと思って。」
大坂「えぇ!自ら??」
もうそんなことしなくても十分に吉幾三とリンクしてるのに。
髭を伸ばしたら益々、吉幾三と見分けがつかなくなりそうです。
でもそんな吉幾三化する危険を冒してまで、今場所の無事を髭に託した健気な52代。
弟子の八角が先頭に立って偉業に臨む姿に、師匠も何かせずにはおられなかったのでしょう。
正直言って今場所の52代の登板もかなりリスキーなことだと思っていました。
ご自身でも仰っていましたが、オシャレで粋な元横綱でも実はリスクの高い、御年今年78歳。
もしも何かあっては取り返しのつかないことになる・・・とハラハラドキドキしていました。
しかし一先ず、無事に本場所も放送も終えることが出来て本当に良かった。
優勝は白鵬の44回目の優勝と幕を閉じましたが、あの千秋楽の一番を見ながらこれは、碧山優勝では締まらなかっただろうと思いました。
観客のいない異例の場所。
静寂の中の最後の取り組みは東西の雄、両横綱であるからこそ重みを持って締めることが出来たのでしょう。
さすがは綱の重みです。
異例の場所進行で、取り組み直後の優勝インタビューということもあってか、終始息が整わない白鵬。
心なしか目の下にクマも出て、体力の消耗、酸欠状態の様子に15日間の死闘をうかがわせます。
久しぶりに鶴竜に優勝してもらいたい気持ちもありましたが、勝負の世界は常に強い方が勝つもの。
今場所の白鵬は時折自分の相撲を見失いつつも、勝ち続けていきました。
勝ち続ける強さ、それがこそが44回もの優勝を積み上げた原動力。
異例の場所にも白鵬の底力をみた15日間でした。
そしてどうやら大関昇進を決めた朝乃山。
ギリギリのところで良く掴み取った!!!
これからは大関となり横綱を常に脅かす存在にならねばなりません。
【大関の務め】
ザワザワ
ザワザワ
ザワザワ
白メガネ「ちょっと・・・!」
白メガネ「朝乃山!」
白メガネ「鶴ちゃんに被ってる!」
朝乃山「ス、スミマセン。」
朝乃山、まずは白メガネが相手だ。
ついに大関・朝乃山の誕生です。
高砂親方は常々、もう一人横綱を育てたいと公言しているそうですね。
親方の退職までには無理かもしれませんが、その願いを叶えるためにも来場所からさらに強い気持ちで臨まなくてはなりません。
大関という重圧につぶされることなく、力強く大きく大関からもう一段上れるように努力を積み重ねていってほしい。
大器はその器以上の努力の基に花開きます。
いつもは現地でしか見られない、千秋楽の儀式まで見ることが出来た今場所。
最初は無観客の取り組みに、違和感を感じて思わずこちらが無反応、無感動にもなりかけましたが、力士や行司、呼び出し、親方衆らの集中した様子にいつもとは違った大相撲を楽しむことができました。
そして何より、大相撲から力をもらいました。
これもひとえに、大相撲協会の全ての人々の努力の賜物です。
心から感謝申し上げます。
大相撲よありがとう!!!
力士たちが踏みしめた四股が大地に響き渡り、世界中に広がる災いを沈めますように。
そして皆さまもくれぐれもお元気で。