令和四年 初場所 十三日目
追う背中は、遠くなったり近くに見えたり。
あと少し、もう少し、と思いながら追う者は前を向き続けます。
【背後】
ザワザワ
御嶽海「よっし。」
御嶽海「やるぞ。」
ザワザワ
御嶽海「・・・・・・。」
御嶽海「なんか・・・。」
御嶽海「めっちゃ、視線感じる・・・。」
琴奨菊「それはきっと、背後霊・・・。」
ぴったりと御嶽海にシンクロする阿武咲。
今は先をゆく御嶽海ですが、早くさっさと追い越しなさい。
阿武咲、若隆景、隆の勝、豊昇龍、明生、大栄翔、霧馬山・・・。
ここら辺の若手がバーンと躍進するのを、首を長~くして待っていますが、ちょっと待ちくたびれて頸椎ヘルニアになりそうです。
いえね、今場所もいい相撲とってるし、九番十番あげてる活躍もとても頼もしく思っているのです。
ですが、大相撲ファンというのは(というか私は)身勝手なもんなんですよ。
上位が不甲斐ないと、下の成長を早く早くと思わずにはいられないのです。
赤子の成長と同じことで、寝返りを打てば、お座りを。
お座りができれば、ハイハイを、と次々と要求したくなるのが人の業。
力が付けば、早く上へと。
上に上がれば、次は役力士へと期待してしまうものなのです。
今は三歩進んで二歩下がりながら、しっかりと根を張る大切な時期かもしれぬと、気を揉みながら若手の成長を待ち遠しく思っていますが、如何せん、年取ると気が短くなりがち。
早く、一場所でも早く、と身勝手な願いを持ちながら今年の大相撲も見つめてゆくことになりそうです。
そんな若手に背中を見せながら、大関への階段をようやく上り始めた御嶽海。
今日は御嶽海の大関取りへの執念が勝って、阿炎を押し出し。
そして横綱照ノ富士も足への不安を払しょくするように、隆の勝を寄り切って二敗をキープ。
明日は照ノ富士ー阿炎が結びの一番に。
先場所横綱を追い詰めた突き押しが繰り出されるか。
宝富士は御嶽海戦で援護射撃なるか。
初場所もいよいよ残り二日です。