令和四年 初場所 十二日目
出会いは突然といいますが、分れもまた突然にやって来ます。
【さよならは突然に】
「ウソだ・・・」
「ウソだ・・・!」
「藤井さんが今日で最後だなんて・・・。」
宇良&晃之助「ウソだ――――――ッッ!!」
なんでそんな、放送も終わりがけになってサラッと言うのさ。
52代が東京さ初めてやって来たその頃に、藤井アナが産声を上げていた。
そんな二人の運命の感動秘話を織り交ぜて、エピローグに導いていたなんて。
最初から言ってくれていれば、うたた寝などしなかったのに。
相撲への深い造詣は力士の取り口、歴史、文化、など多岐にわたり、相撲を愛するがゆえに厳しい目線も併せ持ちながら、立ち居振る舞いは常に紳士的で、角界の明日も見つめていた、実況アナウンサーの枠を超えたとても貴重な存在でした。
同じ「押して前に出る」と言う言葉でも藤井アナが口にすると、格調高く聞こえていたものです。
行司の装束を日本古来の色の名前で紹介してくれたり、本来の意味を解説してくれたり、藤井実況はアンコウのように捨てるところがない、全てが聞きどころだったものです。
もうあの、時間いっぱいでの待ったへの苦言が聞けないことは非常に非常に残念ですが、今日の話の中で「NHKでは」などと口にしていたところを察すると、今後はフリーとして活躍されるのでしょうか。
藤井アナの実力をもってすれば、どこに行っても素晴らしい活躍は間違いありません。
願わくは今後は、実況ではなく解説者として大相撲の放送席に座る日が来ることを期待しています。
もしそんな日が来たら、実況アナは相当にやりにくいことでしょう(笑)
藤井アナ、ありがとう。
そして。
さようなら。
藤井アナ引退の報が土俵にも影響を与えたのか。
御嶽海、阿武咲に痛恨の2敗目。
続けて、照ノ富士も明生に2敗。
さらに気がかりなのは土俵から勢いよく落ちた衝撃からか、膝を気にするそぶりを見せる横綱の姿。
ここにきて優勝争いは照ノ富士、御嶽海、阿炎の3人が2敗で並ぶ状況に。
この状況で存在感を増し始めるのが阿炎。
2人は同時に2敗に転がり落ちてきて、「初場所・初優勝」のジンクスが現実味を帯び始めます。
明日は御嶽海ー阿炎の直接対決。
ここで阿炎が勝つようなことがあれば、初場所・初優勝へと流れが一気に変わりそうな予感。
明日13日目が運命の分かれ道となりそうです。