令和三年 九州場所 五日目
【ご挨拶】
「皆さん、こんにちは。」
「隠岐の海歩です。今年36になりました。」
「え~、だからってわけではないですが・・・。」
「6時を過ぎると、このように・・・・・。」
「髭も濃くなります。」
あら。
ほっぺにエクボがあるんですね。
可愛らしいじゃないですか。
芝田山の小言のような解説に少し気分も沈んできて、放送終了間際にもなるといよいよ暗い気持ちになってきた、その時に。
隠岐のオッサンの目の覚めるような勢いのある寄り切りに、心が救われました。
ありがとう、隠岐のオッサン。
久しぶりというか初めて目にするような、気合に満ち溢れた隠岐のオッサンの相撲。
鋭い立ち合いに、止まらぬ出足。
矢継ぎ早に攻めたてる懐深い隠岐のオッサンに、調子を上げていた正代もさすがになす術なし。
いやはや、やりましたな。
隠岐のオッサン。
ベテランと呼ばれる歳になって語る殊勲のインタビューでは、「一生懸命にやっていれば良くない時も乗り越えていける」なんて、含蓄のあることをいつの間にか言うようになっちゃって。
もうただの二枚目力士の枠には止まらぬ「味」が出てきたじゃないですか。
いつの間にかベテランとなった自分への嘲りか、一瞬鼻で笑った様子も隠岐のオッサンらしいと思いましたが、大きな怪我に見舞われることなくやってこれたことこそ何よりの誉れ。
無事これ名馬。
そろそろ隠岐の海も名馬の仲間入りです。