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千秋楽 優勝と三賞

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令和三年 五月場所 千秋楽

 

 

 

最後の最後までもつれにもつれた、五月場所の賜杯の行方。

 

大関同士の優勝をかけた結びの一番は、貴景勝が照ノ富士を3敗に引きずりおろし、いよいよ優勝決定戦へと持ち込まれました。

 

決定戦ともなると、支度部屋の移動や何やかんやと、舞台裏はバタバタと大忙しです。

 

 

 

 

【立ち退き】

ザワザワ

 

 

 

 

 

ザワザワ

 

 

 

 

若者頭「チラ。」

 

 

 

 

 

若者頭「悪いがのぅ、貴景勝・・・・。」

 

 

 

 

 

若者頭「部屋交代するで、出て行ってもらえんかのぅ・・・。」

貴景勝「・・・・・・。」

 

 

 

 

 

集中力を高める貴景勝。

 

 

 

対する西の方屋では、ひっそりと身を潜める照ノ富士の姿が・・・。

 

 

 

 

【足】

ザワザワ

 

 

 

 

ザワザワ

 

 

 

 

ザワザワ

 

 

 

 

ザワザワ

 

 

 

 

照ノ富士「・・・・・・高安、帰った?」

付け人「帰りました。」

 

 

 

 

照ノ富士「・・・よかった。あいつさ」

 

 

 

 

照ノ富士「賜杯に触りたがるんだよね・・・・・。」

付け人「・・・なんか、切ないっすね。」

 

 

 

 

11勝と星の上積みはできませんでしたが、今場所は二桁にのせての10勝5敗。

 

稀勢の里念願の高安初優勝と大関復帰に向けて、来場所まで休む暇なし。

 

 

 

そんな寛と晃が切望する、天皇賜杯は今場所も照ノ富士のもとへ。

 

膝の状態もギリギリというよりも限界を超えていたように見えた、取り組みをすべて終えた後の照ノ富士の様子。

 

優勝インタビューでは、横綱になれるかどうかよりも、それに向かって全てを絞り切る、と言う不退転の決意には胸に迫るものがあります。

 

やはりこの力士が心に持つ覚悟というのは、ほかの力士たちとはずいぶん違と次元が違うもののように感じます。

 

来場所はいよいよ綱取りに。

 

そう言えば来場所は横綱も戻ってくるご様子。

 

綱をめぐる新旧の戦いが繰り広げられるのか、早くも楽しみなってきました。

 

 

 

ところで千秋楽といえば三賞の発表。

 

いつの頃からか、今日勝てば~とか明日晴れれば~とか、条件付きが常套の『タラレバ三賞』。

 

今回の殊勲賞の条件はまた、どえらい条件にしてみたもんですね。

 

 

 

 

【条件】

ザワザワ

 

 

 

 

 

遠藤「え?!今なんて言ったの?」

付け人「だから・・・。」

 

 

 

 

 

付け人「今日優勝したら、殊勲賞なんだって。」

遠藤「・・・・・・。」

 

 

 

 

 

遠藤「・・・・・・。」

 

 

 

 

 

遠藤「え、オレ優勝しても結局、殊勲賞なの??」

付け人「そうじゃないでしょ。」

 

 

 

 

いや~一瞬ですね、遠藤は優勝しても優勝力士ではなくて殊勲賞の力士、と錯覚してしまったのは私が単に馬鹿だからですか。

 

 

しかし優勝決めたら殊勲賞もやるって、あまり有難さが湧かない選考基準です。

 

 

特上握りに鉄火巻きのオマケ付けたような殊勲賞に食指が湧かなかったのか、正代に押し出されて、遠藤11勝4敗。

 

技能賞は貰えたようですが、そうケチケチしないで殊勲賞もくれてやりなさいな。

 

今場所を大いに盛り上げて2度も笑顔を見せてくれた場所の功労者なんだからさ。

 

あんまりケチケチしてたら、もう笑ってくれなくなるかもよ。

 

 

 

 

 


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