平成30年 五月場所 十日目
気が付けば平成も30年が過ぎ、来年の今頃は新年号での初めての本場所となります。
時代と共に移り行く国技館の景色。
そこにも今を切り取る瞬間があります。
【時の流れ】
52代「あ。」
52代「リリーさんが来てたね。」
戸部「え!リリーフランキーさんがいたんですか?」
52代「違うよ。リリーって言ったら女優さんの・・」
戸部「あー。石田ゆり子さんですか?」
52代「・・・浅丘ルリ子さんに決まってるだろ。」
戸部「えー。知りません。」
52代「・・・・・・。」
戸部「えー。誰ですか?」
52代「・・・もう・・・、いい。」
戸部「どうしたんですか?北の富士さん。」
昭和は遠く、なりにけり。
素早く朝乃山の後ろに身を隠した浅丘ルリ子さんでしたが、朝乃山も浅丘さんの事を知っているのでしょうか。
リリーフランキーよりも石田ゆり子よりもずっと先に、浅丘ルリ子がリリーと言われたことを知っているのでしょうか。
そして浅丘さんが石坂浩二の元妻であることを知っているのでしょうか。
よく目を凝らせば国技館の中には若手力士が知らない昭和の大スターたちがそこかしこに隠れています。
昭和、平成と世の中は移ろうとも大スターたちの輝きは衰えることを知りません。
しかし、52代の話ですがぶつかり稽古も互いの呼吸が大切なんですね。
九重部屋の猛げいこの話をする52代の表情には懐かしさと共に、現在の稽古への物足りなさがにじみ出ていました。
やっぱり稽古する以外に強くなる方法ってあるわけないんですよね。
当たり前のことですが。
稽古すれば体も強くなって怪我をしにくい身体にもなるだろうし。
全て昔が良いとは思いませんが、稽古の質はたぶん昔の方が良いはずです。
ところで戸部。
52代の相手としてはまだまだ役不足です。
トイレで中座した52代への説明も雷さんからフォローされていましたね。
受け答えもわかったような分らんような相槌を繰り返すだけで、話の展開が乏しかった。
こんな調子では52代がトイレに中座したままどこかに遊びに行ってしまいます。
それならば52代がトイレに立つ間がないほどいろんなことを聞いたらどうですか?
年をとっても若者からあれこれ聞かれて頼りにされるのは嬉しいものです。
最初はトイレに行きたくてソワソワするかもしれませんが、そのうちに熱意に負けて親身になって教えてくれることでしょう。
52代の胸を借りて修業させてもらうことです。
再出場の遠藤でしたが痛めた右腕をきつくサポーターで締めあげての登場には、締め過ぎた腕の血流の方が心配で気が気ではありませんでした。
さすがに右腕は全く使えていませんでしたが、良く動き回っていました。
力士だから土俵に上がるとかなんとか、カッコの良いことを言っていたようですが怪我が怪我を呼ぶということは多々あります。
あの日あの時を悔やむことのない自己管理をしてほしいものです。
まわしを引きつけただけで相手を浮かせてしまう恐ろしい力を持つ栃ノ心は全勝の10勝目。
気の早いファンから早くも花束をもらっていましたが、もう明日から大関と名乗ってもいいんじゃないでしょうか。
初日から集中力を欠くことなく力を出し続けるその姿はまさに大関。
変なもの食べて食中毒に出もならない限りもう大関になったようなものだと思いますが、残るは優勝争いです。
手負いの遠藤相手に苦戦した様にも見える白鵬と、弱気の虫が顔をのぞかせ重い1勝を手にした鶴竜との
優勝争い。
直接対決が組まれる明日から終盤戦が楽しみです。