令和四年 五月場所 十二日目
もつれにもつれる土俵際。
最後の一瞬にかける戦いが繰り広げられます。
【見極める】
宇良「ちょっと…!大関!」
宇良「お尻に何か…。」
貴景勝「え??」
宇良「うわっ。」
貴景勝「え?え?」
宇良「何だこれ!」
貴景勝「え?え?」
恐るべし宇良和輝。
時間いっぱいの仕切りでは、仕切り線から離れてみたり近づいてみたりで、大関の心をかく乱し、土俵際では驚異の身体能力で持ちこたえる。
貴景勝もきっとショックだったと思いますが、今日宇良と当たったのが運のツキだと思ってスッキリあきらめましょう。
宇良という力士は表向きはニコニコとほがらかに笑みをたたえて可愛らしくもありますが、土俵に上がれば一変、取り組み中の目つきは中々どうして、あの小さな目は鋭く光る肉食獣へと変わります。
相手の一瞬の隙も逃さぬ鋭い目つき、最後の一瞬まで勝ちにこだわる姿勢。
インタビュールームでは人をけむに巻くように「ハーイ、ハーイ」と間延びしたような返事を繰り返して人当たりの良い関西人を演じていますが、その内面は冷静で勝ちの貪欲な勝負師の姿です。
そう言えば宇良が怪我するずっと前に、雑誌だったか何かで理想の女性のタイプを書いてありましたが、理想のタイプはたしか…。
「なんでも言うことを聞く人」だそうです(笑)。
それにしても先日インタビュールームで宇良が口にした「秘密」が、今妙に気になります。
同じく土俵際もつれて、翔猿との取り直しの一番を制した正代は、踏みとどまって5勝7敗。
同じく大関の御嶽海は、いつの間にか正代と並んで5勝7敗。
仲間が増えた正代はきっと心強くなって、星を持ち直していくような気がします。
赤信号みんなで渡れば怖くない。
明日は御嶽海と一緒に赤信号を渡ります。
以前、先頭は隆の勝の2敗。
続いて3敗の照ノ富士、宇良、佐田の海。
このまま波と勢い、時の運を引き寄せることが出来れば、平幕優勝の可能性も大いにありますが、マラソンレースのようにぴったりと後方について落ちてくるのを待つという、やっぱり優勝は横綱で落ち着くという線もあり得そうな終盤戦。
このまま突き押しのビッグウェーブに乗ってゆけるか。
隆の勝の明日は地力が問われる、若隆景戦です。