令和三年 初場所 中日八日目
はじめてのおつかい。
はじめての解説。
はじめての時は誰だって、ドキドキです。
【フリーズ】
佐藤「本日の解説は元大関琴奨菊の秀ノ山親方です。」
佐藤「親方、放送席から見る土俵はいかがですか?」
琴奨菊「・・・・・・・。」
佐藤「・・・親方?」
琴奨菊「・・・・・・」
佐藤「親方??」
琴奨菊「・・・・・・」
佐藤「・・・・・・」
琴奨菊「・・・・・・」
佐藤「だめです。完全に固まっています。」
琴奨菊「・・・・・・。」
最初は緊張感が伝わってきて真面目な人柄が窺えましたが、時間と共に徐々に硬さが薄れていった新生秀ノ山解説。
そう言えば。
以前秀ノ山と名乗っていた、お喋りな解説者がいましたっけ。
ペラペラペラペラよく喋り。
舞の海の向こうを張ったあの人は、今は朝日山と名を変えて審判席にいるらしい。
本名、四股名、名跡と次々名前を変えながら、歩み続ける相撲道。
同じ秀ノ山でもタイプは色々。
今度の秀ノ山はちょっと物静かな感じです。
それにしても佐藤アナよ。
琴奨菊は明瀬山のことを例えるなら、バランスボールみたいだと言ったのさ。
それを言うに事欠いて明瀬山をバランスボール呼ばわりするとは失礼な。
「バランスボールに対処するにはどうしたらいいですか」はないだろう。
バランスボールの攻めどころはただ一つ。
空気を抜いてしまうことです。
すでに空気抜け気味のバランスボール明瀬山。
目にも留まらぬ明生の立ち合いに、圧倒されてなにもできぬまま寄り切られて2敗目。
まぁこれが現実ですね。
来場所も幕内にとどまってほしいので、残り2勝は必ずあげてほしいものです。
完全にリズムを崩してしまった貴景勝はまさかの6敗目。
綱取りにやる気を燃やしていた約1週間前から急転直下。
綱取りどころか勝ち越しすら危うくなってきました。
まさに天国から地獄。
以前「押し相撲は間違った波に乗ったら怖い」と誰かが話していましたが、今場所の貴景勝はその間違った波に乗ってしまったのでしょうか。
海水浴場で見られる離岸流のように、どんどん岸から離されてゆく貴景勝の姿。
泳いでも泳いでも皆のいる岸から沖へと流されて、不安でパニックに陥りそうになりますが
貴景勝、こんな時は焦って流れに逆らってはいけません。
流れに逆らわず岸と平行に泳ぐのです。
ピンチの時こそ冷静に、冷静に。
じっくり流れを見ていれば、出口は必ず見つかります。
大関食いの御嶽海。
今場所の勝ち星は全て大関相手で、今日は正代相手の3勝目。
今場所も好きなものしか口にしない、偏った食生活ぶりを大いにアピールしています。
好きなものだけ食べているとそりゃぁ幸せですが、偏食は偏った栄養バランスへと繋がります。
日々のバランスのとれた食生活が何より大切。
ムラのない小さな勝ち星の積み重ねが、強い力士を育てます。
そんな小さな勝ち星を明日からの後半戦で積み重ねることが出来るか、大英翔。
初場所初優勝の大チャンスをものにできるか、勝負の後半戦です。