令和二年 十一月場所 十四日目
千秋楽を明日に控えた、十四日目の国技館。
静かに満ちる熱気の中に、時折走る緊張の糸。
その正体は・・・・・・。
【視線の先】
ザワザワザワザワ
呼び出し「ん?」
呼び出し「あれは・・・、まさか・・・。」
呼び出し「百合子?!」
そう。
そこにいるのは。
まぎれもなく。
東京の女帝・百合子
女帝のお出ましに、緊迫する国技館。
その緊迫感はもちろん、放送席にも及びます。
【見張られて】
三瓶「千の風に~~~ぃ 千の風に乗って~~~~~ぇ」
尾車「・・・三瓶さん。」
尾車「そんなに大声で歌っていいんですか。」
三瓶「え。」
尾車「百合子が、来てます。」
三瓶「う・・・。」
尾車「我々は見張られてるんですよ、三瓶さん。」
三瓶「・・・・・・。」
百合子、圧強し。
あの手作りマスクから覗く目元が鋭い。
カバのような蒲島知事に慣れている熊本県人は、あの百合子の眼光でちびりあがります。
圧強しといえば、照強。
今日は同じく小兵の炎鵬と相まみえます。
【小兵兄弟】
炎鵬「兄ちゃん!」
炎鵬「ぼく、負け越しちゃったよ。」
炎鵬「おんぶしておくれよ!」
照強「ったくしょうがねぇなぁ・・・。」
照強「・・・って俺も、同じじゃッ!」
炎鵬「ぐはっ。」
炎鵬「兄ちゃん・・・ハンパねぇ・・・。」
小兵兄弟、共に負け越し。
同じ負け越しでも照強は幕内に残留できる番付ですが、炎鵬は来場所は十両への陥落は避けられない模様です。
その炎鵬と入れ替わりになるのか。
明瀬山が十両の土俵東の筆頭で今日勝ち越しを決めました。
偉いぞみっちゃん!
今日は差し手にこだわらず、突ききって大切な8勝目を手にした明瀬山。
さすがは相撲巧者の明瀬山。
攻めのスタイルも千変万化。
この調子で幕内の土俵でも大いに明瀬山相撲を見せてほしいと思います。
ところで照強の今日の決まり手「外小股」
昨日は翠富士の「ずぶねり」
その前は宇良の「後ろもたれ」
スナメリや胃もたれのような日頃耳にしない珍しい決まり手は、実は大相撲には、寄り切り、押し出し、はたき込み以外にも、48手以上の決まり手があるということを思いださせてくれました。
明日はいよいよ今年最後の大相撲。
賜杯を手にするのは貴景勝か、照ノ富士か。
激動の2020年の大相撲に幕が下ろされます。