令和元年 名古屋場所 十日目
ついにこの日がやってきました。
安美錦引退。
もう一度土俵に戻ってくるかと思っていましたが、引退を決意しました。
怪我と闘いながらの土俵人生。
いつだったか安美錦が「相撲を楽しいと思ったことは一度もない。」と土俵に上がり続ける心の内を吐露していたことがありました。
いつ再び怪我をするかわからない怪我への恐怖、勝ち負けと向き合う日々の厳しさを長年背負った者の偽らざる気持だろうと思いました。
でもきっと、それと同じくらいに安美錦は相撲が好きだった。
幾度となく怪我を負いながらも土俵に戻って、技を利かせた取り口で多くのファンを魅了し続けた姿には安美錦の相撲への愛が感じられました。
あの味のある相撲が見られないことはとてもとても残念でなりませんが、もう十分すぎるほど力を出し切った相撲人生。
安美錦にはたくさんの感謝とお疲れさまを伝えたい。
そう言えば、数年前の巡業で安美錦にコートの上に座られてしまい、キルティングのコートがすっかりペシャンコになったこともありました。
あの時は正直ちょっとショックだったけど、今となってはとてもいい思い出です。
ありがとう安美錦。
今でもあのコートには安美プレスが効いたままです。
これからの伊勢ヶ浜部屋を背負って立つ、照強。
入幕して初めての勝ち越しを決めました。
おめでとう!照強!
今場所はいつにも増して勝気な面構えをしていて、調子の良さがうかがえました。
同じ小兵の炎鵬へのライバル心もなかなかで、幕内前半戦の起爆剤となっています。
その話題の小兵力士たち。
今人気の力士たちにも、小兵にしかわからぬ悩みがあるものです。
【小兵の憂い】
「・・・・・・」
「僕は今、舞の海の再来と言われている・・・。」
「僕も引退したら・・・。」
「あんなおしゃべりになるのだろうか・・・。」
「イヤだっ・・・。」
「絶対なりたくないよぅ~。え~んえ~ん。」
わかりませんよ。
舞の海だって現役の頃は口は重かったんですから。
あんまり土俵上で回りすぎたから、引退後は口が回りすぎるとか、因果関係があるのかもしれません。
でもまあ、先の心配は置いといて。
あと一勝をねらって行きましょう。
勝ち越しと言えば、初土俵以来負け越し知らずの友風が、今場所も勝ち越しを決めました。
もちろんこの喜びも嘉風と分かち合うのでしょうね。
なんでも昨日は30分も電話で話したとか。
なんかこの二人の間には誰も入り込めないものがあります。
あまりの仲の良さに、二人は愛人関係にあるのではないかと邪推してしまうほどです。
嘉風も奥さんから「また友風と電話してるのっ?さっさと切ってご飯食べなさいよっ!」とか言われてないんですかね。
でもきっと友風の活躍が嘉風の力になっているのでしょう。
この今場所も活躍を続けて、これからは友風が嘉風の後押しをしてやってください。
ついでに手が空いたら矢後の尻も叩いてやってください。
ベテラン勢では妙義龍も勝ち越して、新鋭もベテランも土俵は終盤戦へと入ってゆきます。