平成30年 五月場所 四日目
相撲に合口の良い悪いがあるように、対人関係もまた合口=相性があります。
太田「合い口って相性のようなものですよね。」
尾車「はい。」
太田「私と尾車さんの実況と解説の合い口ってどうですか?」
尾車「え?」
尾車「私と太田さんの合い口?」
太田「はい。」
尾車「え~・・・そうですね・・・。」
太田「結構、相性いいですよね。」
尾車「・・・・・・。」
尾車「あ~・・・、一方から見ればそうかもしれませんが・・・・。」
尾車「私から見れば・・・・・・。」
尾車「7勝8敗。」
太田「え。私のこと苦手なの?」
太田さんはリアクションに気持ちのこもらない事も時々ありますが、概ねどの親方とも上手くこなしているんじゃないでしょうか。
そんな合い口の悪さかどんどん苦手意識が高まっている玉鷲相手に2連敗の豪栄道。
昨日は遠藤に出稽古の速攻恩返しをされたようですね。
あんまりに早い恩返しの衝撃が一夜明けた今日も残っていたのかもしれませんね。
そもそも恩返しって何年か経ってからされるものですもんね。
それを昨日の今日に早々と恩返しされてもね~ぇ。
こんなに早いと恩返しじゃなくてただの仕返しなんじゃないかって、訝しく思う豪栄道の気持ちわかりますよ。
でもまぁそこは世代の違いだって割り切って次に進もうではないか。
昨日と今日の負けは水に流して序盤戦をきっちり占めることが肝要なり。
鶴竜に勝った松鳳山。
同じ一門の尾車親方から「1年に1度あるかないかの会心の相撲」なんて言われていましたが、いやいや大丈夫です。
国際情勢も大きく変わろうとしている激動の今。
10年に1度、100年に1度なんてことが事ある毎に起きている今日です。
松鳳山の会心の相撲だって1年に1度と言わず2度3度と起こりえることでしょう。
しかし、時代が変わっても技というのは脈々と受け継がれるものなんですね。
勢「きゃ~~!誰か!」
勢「助けて~!」
勢「この人。」
勢「追いはぎよ~!」
スローを見るまで落っこちているサポーターが誰の物なのかわかりませんでしたよ。
もしかして行司の庄太郎さんの膝用サポーターかもと思ってみていました。
それがまぁスローを見ると正代の見事な脱がせっぷり(笑)
これを見てピンときましたね。
この技、時天空のまわしほどきを受け継いでいると。
時天空は四つに組んでからの見事な手業でしたが、正代は激しい動きの中から相手のサポーターを瞬時に脱がすという師匠を超えたキレのある技を身につけていました。
正代ものほほんとしているようでいて、ちゃんと師匠の技を盗んでいたんですね。
いいぞ正代。
君の相撲は奇妙な変則的な取り口で、見ているこっちは実力で勝ったのか運がよくて勝ったのか、正直よくわからないことも多いものです。
でもその捉えどころのない取り口もまた個性。
最近はそう思えるようになってきました。
もう胸をそらせる立ち合いはきっと治らないでしょうが、それをカバーする独自の何かを自分自身で身につけてとにかく先に攻めることを続けていければその先に、何か次のステージが見えてくるんじゃないでしょうか。
唯一無二の相撲スタイルを確立した時天空。
その背中を目に焼き付けて正代も唯一無二の正代スタイルを確立して、相撲人生を駆け上がってほしいものです。