九月場所 四日目
長きに渡った土俵人生。
始めの頃は遙か先に見えた土俵人生のゴール。
今そのゴールはもうすぐ目の前。
目前に迫っています。
38代庄之助「はぁ~。」
38代庄之助「今日の相撲も際どかった…。」
38代庄之助「俺、もしかすると…。」
38代庄之助「千秋楽までに、腹切ることになるかもしれん…。」
付け人「お、親方…。」
庄之助。
現役引退まで残り11日。
ピッピ ピッピ ピッピ。
今日の軍配もどことなしに自信なさげな、まわし団扇。
差し違えたり、草履脱げたり、転んだり。
時々取り組みの邪魔になる方に避けたりして、立行司になってもなおスリリングなさばきを見せる38代庄之助ですが、
今場所千秋楽をもっていよいよ定年退職となりました。
ハラハラドキドキさせる土俵さばきも38代の持ち味として結びの一番の醍醐味となりつつあった昨今ですが、あの危ういさばきも残り11日で見納めかと思うと寂しさもひとしおです。
残り11日間は盤石にさばいてほしいと欲しいと思う気持ちと裏腹に、やっぱり最後まで何か起きそうな予感が拭えない38代ならではの珍事を最後の最後まで期待したいような、微妙な気持ちに揺れる好角家心。
千秋楽ではきっと今まで以上に顔を紅潮させて、挽回の思いを巡らせながら千秋楽のふれを呼びあげてくれることと思います。
38代、千秋楽までご無事で。