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十日目 十両の土俵から

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令和四年 九月場所 十日目

 

 

 

~十両の土俵から~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十両の土俵から。今日は熱海地方を走ります。(石丸謙二郎風)

 

 

 

 

 

 

 

【呼びつけられて】

大鳴門「おい。」

熱海富士「はい。」

 

 

 

 

 

 

大鳴門「お前んところの親方、なんか怒っとるんか??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熱海富士「いや、あの顔は・・・。」

 

 

 

 

 

熱海富士「は、はにかんでる顔っす。」

 

 

 

 

 

 

大鳴門「あれで、はにかんどるんか。」

熱海富士「はいッ」

 

 

 

 

 

え?何々?何の注意?

 

注意される個所がさっぱりわからぬままに、大切な7勝目を物言いの一番で手にした熱海富士。

 

真っすぐに前を向いて岐路に向かいます。

 

 

 

 

 

 

【笠地蔵】

あー怖かった。

 

 

 

 

 

 

 

あ。

 

 

 

 

 

お地蔵さま、こんにちは。

 

 

 

 

 

 

 

今日もいい日だ。

 

 

 

 

 

 

礼儀正しい青年に幸多かれ。

 

 

 

 

熱海富士を見てるとこちらまで前途洋洋な気分になれます。

 

私たちの明日には明るい未来が広がっている。

 

そんな夢を見させてくれる、閉塞感漂う現代においてとても貴重な存在です。

 

 

 

 

 

幕内の土俵に目を転じてみると、横綱不在に大関不能な状態ですが、本日10日目は見ごたえのある土俵が続きました。

 

 

 

 

前半の土俵では好調若元春に勝ち越しの錦富士。

 

インタビュールームでの飾り気のない誠実な受け答えも好感度が持たれます。

 

 

 

先頭を走る北勝富士に土をつけた高安。

 

鋭い北勝富士のおっつけからの攻めを跳ね返す右からの圧力。

 

優勝争いに今まで何度も名を連ねながらも未だ夢叶わずにいますが、何からかの爪跡を残す活躍は実力の証。

 

インタビュールームで一瞬浮かんだ、うっすらとした笑顔に心の余裕が見えた気がしたのは気のせいではないでしょう。

 

 

 

 

勝ち越しへあと一勝とした今場所の翔猿。

 

今場所はトリッキーなだけじゃない上手さが増したテンポのいい攻めが光って、来場所の新三役が見えてきました。

 

 

 

序盤戦は不調に見えた関脇の若隆景は、磨き上げたおっつけからの力強いすくい投げで宇良を圧倒して、星を7勝まで盛り返しました。

 

今日のような相撲を見ると返す返すも序盤戦の3敗が余計にもったいなく思えてくるのは、大相撲ファンの欲というものか。

 

 

 

そしてついに今場所、横綱大関全員を総なめにした玉鷲。

 

今日もただいまとにこやかにインタビュールーム入りして、優勝争いの先頭に並びます。

 

どこか牧歌的な雰囲気が漂う、人に安心感を与える暖かい人柄。

 

朗らかな顔の下で地道な努力を続ける幕内最年長の37歳。

 

 

 

 

看板力士が機能不全に陥っても今場所の土俵は面白いのは、個性ある様々な力士の活躍が大きな役割を果たしています。

 

 

番付が形骸化しつつある、昨今の大相撲。

 

番付の重みが軽くなるのは問題ですが、新しい力や躍進する力士に注目が注がれ世代交代が進むのは悪いことでもありません。

 

 

 

大きく地殻変動する令和4年の九月場所。

 

 

明日は早くも、1敗同士の直接対決です。

 

 

 

 

 


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