令和三年 三月場所 中日八日目
日常生活では一緒に比べて見たことはないけれど、だいたい同じくらいの大きさだと勝手に認識していることが多々あります。
頭の中のイメージと実寸とのギャップに驚くこと再三です。
【比べてみれば】
宇良「おっ。」
宇良「これが炎鵬か・・・。」
宇良「思ってた以上の小ささや。」
宇良「アンタ、飯はちゃんともろとるんか?」
炎鵬「・・・・・・。」
飯はもらってるんでしょうけど、よう白飯食わんのですわ。
小兵だ小兵だと思っていたら、宇良って結構デカかったんですね。
炎鵬がチワワだとすると、宇良は柴犬くらいはありました。
しかし相撲はほぼ互角。
互いに低い重心から攻めを繰り出すスピーディーな相撲。
今日は宇良に軍配は上がりましたが、二人の力は拮抗しているようです。
勝ち星も互いに6勝2敗。
これからもきっと幾度となく土俵で顔を合わすことになるこの2人。
超人気ドル箱カードとなることは間違いなしです。
場所も折り返しの中日八日目。
中日、日曜日の放送席には大抵、人気者を配します。
【壁】
吉田「さて、本日の解説席には。」
吉田「壁は越えるもんじゃない、」
吉田「つぶすもんだ、と言い張る秀ノ山親方です。」
吉田「親方、このアクリル板の壁もつぶしちゃいます?」
秀ノ山「つぶします。」
琴奨菊、ちょっと身体絞りましたか?
心なしか肩のラインがすっきりしたような・・・。
しかし親方、ベテラン吉田も泣かせるほどの表現力。
壁をつぶしてみたり、100点は目指さないけど結果100点になってみたり。
独自の感性で研鑚を積んできた親方ならではの感覚が基となっているのでしょう。
でもそういうのって頭ではわからなくても、身体で覚えていくものです。
聞いているときはポカンとしていた弟子たちも、稽古を積み重ねていく中で「あぁ!これが壁をつぶす感覚か!」と合点がいく瞬間が来るはずです。
理屈をいくら頭に叩き込んだところで、身体で覚えてたことには決して忘れないもの。
琴奨菊の身体に染み込んだ「壁をつぶす」感覚が、いつか誰かに受けつながれてゆくことでしょう。
土俵では、高安の練り上げられた照ノ富士の攻め手を殺す戦法で、1敗をキープ。
5勝2敗の呪いにかかった、朝乃山や妙義龍らが揃って黒星となり、トップは高安、千代の国の二人に。
高安の狙い通り、徐々に話題の中心になりつつあるわけですが、これからが本当の戦いが繰り広げられる場所の後半戦へと突入します。
日ごとに増す一日一番のプレッシャーに潰されず、話題の中心でいられ続けるか?
高安の真価が問われる7日間が始まります。