令和二年 十一月場所 六日目
世辞を言うのは世の習い。
本音はどうかと思う事でも、世辞の一つも言えねば世間は上手く渡れません。
【記憶】
厚井「向こう正面は押し相撲でならした、元若荒雄の不知火親方です。」
舞の海「厚井さん・・・。」
舞の海「押しでならしたなんて、言いますけど・・・。」
舞の海「でも実際・・・。」
舞の海「思い出されるのは、引き技ばかりですよね・・・。」
厚井「あー!たしか-に!」
思い出は時間と共に美化されるもの。
時が経てばすべてよい思い出です。
たしかに。
押しと引きは裏表。
言われてみれば表裏一体の技なのかもしれません。
だからこそ押し相撲はリズムが大事。
いい流れに乗れなければ、いくら状態が良くてもなかなか勝ち星につながらないことが、ままあるようです。
この押し相撲の力士もまだ、今場所の流れに乗ることが出来ません。
【エスパー】
碧山「おい、明生。」
明生「なんだ?!」
碧山「俺はへそを透視することが出来るんだ。」
明生「なに?!」
明生「それなら、やってみろ!」
碧山「よし。」
碧山「・・・・・・。」
明生「どうだ?!」
碧山「・・・・・・。」
明生「どうだ?!」
碧山「・・・・・・。」
碧山「明生、でべそだね。」
明生「・・・・・・。」
碧山、六日目に初日。
初日が出ない力士は残すところ炎鵬だけとなってしまいました。
今場所はいつもの赤い締め込みから、お気に入りのオリーブグリーンに変えてきた炎鵬ですが、調子が悪いと色白の肌がオリーブ色と相まって、血色も一層悪く見えてくるから不思議です。
血流を良くするために締め込みを変えるもよし。
いつもと違う事をするもよし。
何でもかんでも手当たり次第にやってみれば、きっかけが掴めるかもしれない。
人間必死にもがいていれば、必ず糸口はつかめるものです。
それにしても照ノ富士と貴景勝の安定感!
四つ身と押しで対照的な取り口の二人ですが、自分の十二分の相撲を土俵で発揮する様子から、両者直接対決は千秋楽までお預けになるのは必定となりそうです。
隆の勝も北勝富士相手に、激しい攻防の中で冷静なはたき込み。
貴景勝との稽古充分を物語る一番となりました。
まぁしかし、まだ明日は七日目。
場所は折り返し前の前半戦。
隠岐の海のメイクミラクルはあると願いつつも、明日は結びで貴景勝。
やっぱりそりゃないな、と現実に戻る明日七日目です。