令和二年 九月場所 十一日目
混迷を極める幕内優勝争い。
大関、関脇、平幕とバラエティー豊かなメンツが揃う、その中に。
ひときわ光る、新参者の姿アリ。
【猿】
翔猿「しくしく、しくしく」
翔猿「しくしく、しくしく」
翔猿「えーん、えーん」
翔猿「怖くて相撲とれないよー、えーん。」
付け人「絶対ウソっすね。」
翔猿の中に緊張という文字はまず、ないでしょうね。
物おじしない性格は十両の頃も変わらなかったように思いますが、変わったのは相撲そのもの。
十両の頃も跳ねたり跳んだりと、すばしっこい身のこなしではありましたが、引いたり攻めたりと中途半端な相撲が目立っていたような気がします。
それが、新入幕を果たした途端、すばしっこさと前へ攻める姿勢、最後まで諦めない粘りとを身につけて、さながら新生・翔猿の誕生といったところです。
聞いたところによると、早々と浴衣の反物も作って兄・英乃海にもあげちゃったとか。
何度か入幕していてもまだ反物を作っていなかった英乃海は、少々ショックを受けたとか受けなかったとか。
だいたいどこの兄弟も上がおっとり、下がちゃきちゃきしてるもの。
まぁ兄弟と言えども違う人間。
互いに刺激しあいながらも意識しすぎずにやればヨシ。
嘉風の相撲を目標にする翔猿ですが、たしかに嘉風のスピードにアクロバティックさが加わったような取り口です。
明日は互いに2敗の若隆景との直接対決。
もうちょっと先までとっておきたい気もしますが、熱戦必至間違いなしです。
放送席入りした境川親方。
本当ならば今頃は、博多でラーメンでもすすっていたんですね。
【やせ我慢】
戸部「2敗で貴景勝、正代、若隆景、翔猿の4人と・・・。」
戸部「さらに3敗が、朝乃山、照ノ富士、阿武咲の3人と・・・。」
境川「・・・・・・。」
戸部「明日、12日を迎えますが、優勝の行方は依然として、混戦状態と言えるかと思うんですが・・・。」
境川(あ~~~~、も~う・・・)
境川(オシッコしたい~~~~ッッ!!!)
戸部「親方はどう予想されますかあ?」
境川部屋伝統のやせ我慢。
これぞ男の美学です。
2敗勢の4人のしこ名が、明日は何人になっているのか。
明日12日目も前半戦から目が離せません。