令和二年 九月場所 中日八日目
人に技あり歴史あり。
力士人生を技からひも解く。
一場所ごとの話題の企画、「技の神髄」。
九月場所の今回は、朝潮太郎の「ぶちかまし」編です。
【ぶちかまし】
三瓶「北の富士さんはぶちかましやったことありますか?」
52代「ないね。」
52代「1度頭から当たって、脳震とう起こしてね。」
52代「あんな怖いことったらなかったもんね。」
三瓶「あーそうですか。」
52代「だいたい、あんなこと人間がするこっちゃないね。」
三瓶「え~、そんな・・・。」
三瓶「だったら、朝潮さんは何ですか?」
52代「オランウータン。」
三瓶「言い切っちゃダメでしょ。」
オランウータンは森の人。
きっとオランウータンだってこんな風にはなりません。
それにしても、出てくる逸話がすごすぎます。
額から血が流れれば絶好調 とか。
軽自動車の時速40キロの衝撃 とか。
眠っているときも、脇を締めて顎を引いて寝ている とか。
もう人間とかオランウータンとか、種族の垣根を遙かに超えたワールドワイドな語り草。
私なんぞ、腕は上げて口は開けっ放しで寝ている始末。
明日から愛車の軽自動車に乗るたびに朝潮のぶちかましが頭をよぎりそうです。
そんな話題の朝潮太郎。
あら、向こう正面の檻にいるじゃないですか。
【かます】
朝潮「そういや、この前さ。」
朝潮「ゴルゴ13に狙われた。」
朝潮「え~、ホントよ本当。」
朝潮「だって・・・。」
朝潮「ここ・・・。ここ狙われたもん。」
なにホラかましとんねん。
そんなホラはさておき。
1勝7敗の炎鵬。
場所前に4~5キロ痩せたとか話題になっておりますが、見るからに体の線が一層細くなっています。
体に力もこもってなさそうで、見ている方も気の毒になります。
明らかに弱弱しい炎鵬の様子を前に、うちの父が「今なら俺でも勝てる」と豪語し始めました。
弱ってくるとそこに付け込んでくる輩は大勢います。
勝負の世界は常に非情。
エッグベネティクトでもパスタでも何でもいいから、好きなもんガッツリ食べて体力の間に気力を付けなよ。
気力で負けると怪我をしょい込むぞ。
怪我といえば昨日から土俵に戻った琴奨菊が心配です。
明らかに足の様子が思うわしくない様子。
長く土俵に上がり続けているからこそ、今日の土俵にかける思いも重く大きくなることでしょう。
怪我の具合がどの程度なのかは本人にしかわかりませんが、本人が納得がいくようにしてほしいと願うばかりです。
結びの一番はまた、意外な展開に。
まさか栃ノ心が変化するとは!
あんなことまでして貴景勝戦3勝目を狙いに行くとは!
やはり相撲は勝負事。
心様も背に腹は代えられません。
しかし久しぶりにインタビュールームで心様を見ましたが、お顔がふっくらしてヨカおじさんになりましたな(笑)。
一時は溢れ続けるアドレナリンにちょっと恐ろしさも感じたものですが、今では体もだいぶん丸みを帯びて、ヨーロッパの中年紳士の風情が醸し出されてきています。
これで優勝争いは先頭は2敗の総勢9人のデッドヒートに。
明日から場所は後半戦となりますが、
優勝の行方はこりゃぁまだまだわかりません。