令和元年 五月場所 十三日目
蛇の目の砂に踵は、
付いていたのか―。
いなかったのか―。
土俵際の踵をめぐる協議は6分近くに及び、協議は白熱した様相を呈しました。
ガヤガヤガヤガヤ
阿武松「踵は出てたの?」
湊「出てました。」
湊「間違いありません。」
阿武松「じゃ、このこと誰が言う?」
・・・・・・。
湊「そりゃぁ審判長、アンタでしょう。」
阿武松「えっ・・・でも、言いづらいよ・・・。」
私が見ていたお茶の間角度でも、心様の踵は出ていないように思えました。
いつも以上に神妙な面持ちで、慎重に協議結果を伝えた阿武松審判長でしたが、心様と同様に俄かに信じがたい協議結果となりました。
でも5分も6分も時間をかけて協議していた様子を見ると、お茶の間からわからないところでしっかりと確認がとれたのでしょう。
さがる花道の心様の青い瞳には怒りと悲しみが映っていて、見ているこちらも悲しくなりました。
気持ちを切らすなという方が難しいことだとは思いますが、どうか腐らずに残り2日間に魂をかけて臨んでください。
しかしこの非情な場面を前にして、うちの母は「この人は大丈夫よ、ちゃんと乗り越える」と、妙に自信を持って言い放っていました。
母は何年か前にちょっとだけ心様ファンになりその後すぐ他の力士に乗り換えた薄情な女ですが、今でも心の奥底では心様を応援し続けていたのかもしれません。
女心の複雑さに驚きつつも、今回はその何の根拠もない素人の自信を私も信じてみようと思います。
栃ノ心よ。
今日はガガ丸でも相手に大いにやけ酒を飲むがいいさ。
栃ノ心の手料理になついているガガ丸のことです、ガツガツ飯を食いながら一緒に悔し涙を流してくれることでしょう。
ジョージア語でたくさん悪態をついたり、ガガ丸をのど輪で突き上げたりして今日の憂さを晴らしてしまいましょう。
ガガ丸はきっと真っ赤な顔になりながらも栃ノ心を元気づけてくれると思います。
今日の無念は残り2日の土俵で存分に晴らし、必ずやあと1勝を手に入れようではないか栃ノ心!
一方の朝乃山ですが、心様に勝る立ち合いの圧力を見せて優勝争い単独トップに。
この力士、今場所豹変しましたね。
前々から期待されていたものの、今まで番付の昇降を繰り返していましたが、ここにきていきなり一皮むけたようです。
朝乃山躍進の秘密を親方にぜひ聞かなくてはなりません。
【秘密】
太田「朝乃山、今場所は大躍進ですが。」
高砂「ホジホジホジホジ」
太田「このまま行くと千秋楽は。」
高砂「ホジホジホジホジ」
太田「どこに当ててくるか。」
高砂「ホジホジホジホジ」
太田「まさか、横綱と割を組むってことは・・・。」
高砂「!!」
高砂「パク。」
太田「・・・ねぇ、高砂さん・・・。」
太田「鼻くそ、食べちゃダメですよ。」
高砂「や~~ん。」
高砂さんはたぶん鼻くそ食べたりしませんが、子供ってなんで鼻くそ食べるんですかね?
先日もスーパーで鼻くそをたらふく食べている可愛い子供を見かけました。
お母さんが見てないこっちを向いてパクパク食べていました(笑)
親御さんからするととんでもないことでしょうが、傍から見てたら可愛いですよね。
あれ?なんの話でしたっけ?
そうそう、朝乃山でした。
巡業でも稽古に精を出していたようですし、そろそろ意識が変わってきたのかもしれません。
大器と言われてきた朝乃山。
師匠は朝青龍を育てた高砂親方。
令和元年初めての本場所で、高砂部屋いよいよ新時代の幕開けか?!
場所もついに残り二日。
場所の始まりには予想もしなかった幕内優勝争い。
明日の結び二番に注目が集まります。